模型の王国 on WEB/2nd season logo#b02
MODEL KINGDOM onWORLD WIDE WEB
/2nd seosn "flower age"
●『模型の王国 on WEB』 index→.
A4一枚堂/ file:0088 -『模型王 2005 -MODEL KINGDOM AWARD』-
模型王'97 /まだちょっとエヴァ・ブーム
模型王'98 /フィギュアを語るコト勃興
模型王'99 /第2次ガンプラ・ブーム
模型王2000/ホビー好況もひと段落?
模型王2001/WFリセット他いろいろ
模型王2002/海洋堂とメディアの蜜月
模型王2003/HG→MG→PG→GFF。
模型王2004/"模型"が総合ホビーと
スケールモデル専門に…

実質的にリニューアルのリニューアル路線に:ガンプラ編
■とゆーことで早速2005年版『模型王』。実際には徐々に”王道ド真ん中”からはズレてきてはいるんですが、今年もとりあえずガンプラから。

■TVは昨年に続き『SEEDディスティニー』。流通レベルでの噂だと一昨年のSEEDに比べて売れてない〜とのこと。ネットではその理由もアレコレみんな勝手なコト言ってる(曰く、デザインがマンネリ、お話が滅茶苦茶、あんまりロボが欲しくなる演出になってない、1stにあったミリタリー性がうんぬん〜)んですが、それが当たってるとすると逆に無印SEEDがウケたのが説明つかなくなるわなぁ……ヽ('A`)ノ。個人的には間接が光る1/60ストライクフリーダムが、なんというかちょっと自分でも考えてたギミックなんでクヤシイ……。

■あとは、ガンプラじゃあないんですが、男子向けキャラクターフィギュアでは、『ルナマリア』という掘り出しモノが男子フィギュア層にヒット。メガハウスのPVCの快進撃(年末のミーア・キャンベルのプチ祭り)と重なって完成品フィギュアにもSEEDの足跡をマークしてました。

■非・SEEDなガンダム(?)ではZガンダムの劇場版が2作公開。それにタイミングをあわせてのZ世代がいっぱい。ガンダムMk-2とZガンダムがさくさくっとマスターグレードver.2.0でそれぞれ\4200、\5250と結構な高額でリリース。今年はとうとう新規のPGシリーズがなかった(一応スカイグラスパー、ストライクルージュが出たけど)せいか、かつてPGやってたバンダイ『一軍』の仕事っぽい(?)ゴージャスなパーツ数も、店頭に並ぶ大きな箱も、ほいでその価格や訴求する客層なんかまで、PGのポジションを侵食、置き換えしてるイメージというか、このへんのデラックスな上級版マスターグレードを、そうだなあ……『HGMG:ハイグレードマスターグレード』と命名。ヽ('A`)ノ

■ちなみに実は同じように高額、豪華スタンド、オマケパーツたくさん〜なフォーマットでは夏のアッガイ(\4200)がコンセプトとしては先行。つーかアッガイの場合ver.1.0が出てないからver.2.0と銘打ってないだけで実質そういう意味ではver.2.0だわな。さらにその前のマスターグレードはナムコのPS2ゲームとのタイアップの『RX-78 ver.one year war 0079』(\3360)こっちはver.1.5に続いての、まごうことないver.2.0。まあこのへんもあってうやむやなうちにマスターグレード路線も実質的な2週目になってるワケですな。あ、あと上記の『one year war 0079』はナムコバンダイの合併のキッカケ〜ということでそれも書いておきますね。(あと違うけどタカラとトミーも今年合併)

■HGUCはメッキ版を合間合間にはさみつつ、アッシマー、ガブスレイとあとは電撃ホビーマガジン『A.O.Z.』のヘイズル2種。ヘイズルは電ホ付録のイージーキットの頃からそーなんですが、外れ無しの出来の良さ。電ホ付録は年末のフルドドも話題に。つーか、AOZも気がつくともうずいぶん長くやってない?

■EXモデルは去年のイグルー版ムサイに続いておなじくマゼラン&サラミス。MG誌でもガンダム戦艦だけで特集になってましたな。あとはココに書くのも『?』なんですが、なぜかEXのラインでバットモービルが……。このへんのシリーズ運営というか統括プロデュースの無さも今のバンダイの現状ということで。

■GFF&ジオノグラフィはコンスタントに出てるんですが、ちょっと踊り場感?クスィーガンダムとかブルーディスティニー、カトキ版RX-78にイフリート、ザクフリッパーとかのまあ言ってみればマイナー路線だからそのへんは仕方ないかあ。あと同じフォーマットでのSEED版『コズミック・リージョン』のスタートも今年?

あいかわらずポスト・ガンダム模索中:その他のキャクタープラモ
■『ガンダムの次〜』を強く意識したビッグプロジェクト、『エウレカセブン』は、でもプラモはここ数年のバンダイの『その他のロボ』と同じく2軍くさい仕上がりヽ('A`)ノ。同じ河森正治デザインの『アクエリオン』(こっちは超合金で意欲作がリリース)と何年か後にはごっちゃになってるヌルオタ多数だと思う……。

■あとは、でもこれは模型業界というよりはキャラクタービジネス全体で〜の話ではあるんですが『ケロロ軍曹』がちゃんと子供に受けて、ドラえもんとかアンパンマン的に男玩というか幼年誌とかのコア・キャラクターのポジションを獲得したのは関係者には思わぬ(いえ、当事者の半分はその気でプロジェクトは組んでたとは思うんですが)収穫だったと。

■ハセガワはテムジン747が去年だから、今年は新製品はとーとー間にあわず。アファームド、VF-0バトロイドは来年ですな。

■コトブキヤは昨年に続きスパロボのオリジナル路線を拡充&アーマードコアも今年から。WAVEは以外なトコからの1/24タチコマ。地道に商品展開が続くボトムズはタカラのアクティックギア(1/48の完成品)や他メーカーからもブルーナイト等で完成品。あとタスカの悪役一号はココかねえ?


スケールモデル(の作り方)ブーム?:雑誌編
■まあ、これはこのページをまとめるのにMG(モデルグラフィックス)誌を参考にしてるせいもあるんですけど、今年のMG誌を並べてみると好調なHow to入門編シリーズ『A to Z』が目につきます。いずれも雑誌としてよく出来てるというか、情報量がたくさんでお腹にたまる満腹感が。ただまあ本気でこれを陸海空全部なぞって作ってたら時間も金もいくらあっても追いつかないんですが(笑)。

■つーかモデルアート誌の後ろのほーのびっしり細かい新製品ページでしか見なかったようなディティールアップ別売りパーツが恒常的に使われてるからねえ。実際、都内の専門店の棚はこのへんでもって”世界と繋がってる”ワケだから、そういう意味ではこのへんにはある種の”時代性”があると思ったりも……。

■流れで雑誌の話をするといよいよ大日本絵画からは船模型雑誌『ネイビーヤード』創刊。もっちー(編集長の望月さん)のセンス、好きなんで結構期待。で、それとセットでスケールアビエーションがリニューアルで横山宏氏編集長に。こちらはすでに快調というか、こっちの切り口もすごい面白いなあ……。

■フィギュア系では『モデロイド』が今年創刊。写真はまたしてもインタニヤさん(笑)。あとちょっと違うんですがフィギュア原型製作の指南本をPCアプリケーションのHow to本のフォーマットでまとめた入門書『かわいい女の子フィギュアを作ろう!』が秀和システムズから。途中写真盛りだくさんの中身もさることながら、雑誌やムックと違っていつでも入手できる〜というのが替えがたい美点でもあります。

■あとここで同列に扱うのも何なんですが、青い表紙の『ネットで儲けよう!改造フィギュア』が年末に出たのも今年です。何年か後から見るとどうなってることやら(笑)


ミリタリー映画があったにはあったけど……:スケールモデル編
■スケールモデルそのものでは今年の一番の話題作はハセガワの1/350三笠かなあ?映画『男たちの大和』あわせの大和は一番目立ってたのはディアゴスティーニの『週刊戦艦大和をつくる』?プラキットは数年前にひととおり出ちゃった後だからねえ。タカラの輪切り完成品と年末にその宇宙戦艦ヤマト版〜を出したバンダイはホントすげーよ…あらゆる意味で……。ヽ('A`)ノ

■その映画流れでは今年は『ローレライ』『イージス』『戦国自衛隊』と福井晴敏イヤー。模型は今だとローレライをはじめとして食玩完成品が中心でしたが。

■あ、でも夏にEP.3公開のスターウォーズは結構模型出ましたな。塗装済み未組み立てのイージーキットでジェダイファイターとか。あとは年末にファインモールドの1/72ファルコン号が2万弱の巨大キットとして発売〜と。

■ちなみにスケール系に話を戻すと、そんな感じで雑誌は元気だった(モデルアートのリニューアル?とか)んですが、誰もの記憶に残る話題の大ネタ〜というよりは気の利いた通好みのライン(タミヤのエクレールとかピットロードのスラヴァ級とかイタレリのTu-22、トランペッターのビジランティとかTu-160〜あたりは大ネタかあ……)を順次埋めていってる感じ?カーモデルが国産旧車のプチブームなのも、なんというかそういう”枯れた”層が模型のお客さんの主力になってるのを反映してるようで。


ガチャ系からPVCに:萌え系完成品
■世間的には『電車男』&駅前の再開発のコンボで『アキバ系&萌えブーム』でもあった2005年。このへんをアテ込んだ商材は、そのTVとか見てる限りガンプラと、こういったPVCの塗装済み美少女系の完成品。さすがにガチャサイズだとTVだと何が映ってるのかわからん〜という事情もあって、大きめサイズのこのへんは、そういった”萌えカルチャー”のイコンとして、やっぱり2005年の代表ではありましたな。

■もっとも実際には、ガチャサイズのフィギュアを\200で10万個売る〜というビジネススキームがコスト上昇(原油1バレルが最高70ドル&人民元の切り上げもスタート)とパイの食い合い、強力なタイトル不在で成立しなくなってきて、まがりなりにも\3000〜(以上)の値段をつけられる1/6クラス(以上)のPVC完成品に”逃げて”きてるのも事実。

■ちなみについでに書いておくんですが”PVC”なる用語、ポリ・ビニール・キャスティング〜の意で、乱暴に言うと金型で成型する塩化ビニール製品(事実上ムクで身が詰まってる)として、怪獣ソフビなんかの中が中空になってるタイプと区別するために使われてた”製法”を表す言葉だったのが、なんかイキガカリ上、ガチャガチャなんかの10cmサイズ(ちなみにこちらも製法としてはPVCなんですな……)と大きさや価格を区別するための、商品のクラスをあらわす言葉になっちゃってるのも、まあ2005年のトピックかも?

■ほいでこの大きめ完成品美少女フィギュアのマーケットが実際そんなにたくさんのメーカーを食わせていけるほど豊潤とも思えないというか、ネットなんかで見てるとアフェリエイトの流行もあって、一見盛り上がってるようですが、実質買ってる人は1万人くらいで固定メンバーなような気もしてまして……。それを裏付けるように、初回出荷が即完売の人気話題商品でも2回目のロットが届くと、とたんに余って投売り〜って光景を何度も目にしてるというか……。

■で、そのへんのモノ余りとも関係するんですが、こういった完成品出てきて以来、実際にメーカーも増えたよね?商品にクレジットされる発売元はもちろんサブライセンス的に扱う半商社みたいなとこや代理店、あとは原型を作る工房まで、業界が拡張したのにあわせるように離合集散、新規独立、外からの参入〜なんかもあって、どんどん聞いたことない名前を聞くようになりまして、あわせて結構いい加減な話や悪い評判も耳にしてますし、そういうトコロで交わされるギャラの相場も『え!?』ってくらい安いみたい。

■あとは海洋堂の専務がTV.Bros.の連載(ちなみに今年で終了)でも書いてましたが、いよいよブーム終焉で折り返したコンビニを主戦場とした一般向け(?)食玩〜あたりもあって、このへんの中国生産の完成品はこれから下り坂になっていくんでしょう。で、それに伴って、メーカーから代理店から原型屋さんから淘汰というか廃業の続くサバイバルに突入というか、世間の不景気と真逆にバブルだったホビー業界に一周遅れのリストラが……!?

■〜と、景気悪い話の後に書くのもイメージ悪いんですが、そんな今年を支えたネタとしては、Fate、舞姫、ふもっふ、これが私のご主人様、いちご100%、ねぎマ、to.HART2、スパロボ、苺ましまろ〜あたりまでがコンテンポラリーなところ?あとは時空を超えてのデビュー(?)でRio(スーパーブラックジャック)に、数年前からの継続人気で、君が望む永遠、おねツイ、あと片山霞の完成品もそういう意味では時空を超えてる?

■あとあと、ピンキーSt.のヒットを受けての組み換え美少女ユニットものがいろいろと。WFみやげのばらすぃー着せ替え、ねぎマのブロックフィギュア風。さらに年末にはSEGAのラブ&ベリーもあのフォーマットになってて、さすがの服のバリエーションにびっくり。あと韓国モノでもなんかあったよね?

■さらに一般の世の中(?)のここ数年のグラビアアイドル・ブームを受けて、グラビアアイドルのそっくりフィギュアが完成品で。熊田曜子、安田美紗子、あたりからのリリース。原型はやっぱり林浩巳氏。つーかアレですなモチーフになるアイドルが入れ替わっても原型は延々林さんが作ってるあたりに諸行無常を感じるというか、

『オタクはアイドルが好き』x『オタクはフィギュアも好き』=『だったらアイドルのフィギュアを作れば!』

〜という黄金の方程式でもって、ことあるごとに繰り返されるアイドルのそっくりフィギュア。なんじゃかんじゃで上手くいったのを見たことないんですが、たぶんこれはもう人類の見果てぬ夢として、錬金術、永久機関〜的に未来永劫挑戦し続ける運命なんでしょうな……。ヽ('A`)ノ


長くなってごめんね〜(←ウクレレで……)イベント&総括編
■模型系イベントでは『モデラーズフリマ』がスタート。静岡での1回目と秋にビッグサイトで2回目。スケールモデル中心の、文字通りフリーマーケット形式。WF等の”自分がメーカー”とは全く逆ではあるんですが、レオナルドやリバティーが楽しいのと同じ理由ですごく楽しかったですよ。自分がたどってきた”歴史”と目の前の”ブツ”の交わるトコロに立ち現れる悦楽という点で、これを味わえる自分の年輪に感謝&ちょっと優越感。

■でも若モノも心配するなかれ、20年後に開催される美少女フィギュアの古モノ限定即売会で君にも味わえますから。そこで再開する、イイ感じに黄ばんだブキヤPiaキャロの水着貴子さんとかに

『ババァ!オレ(そのころはもう44歳)を待っててくれたのかっ!?』

〜と感涙する日がきっとくるんだよ……。

■あとは『WF20』が告知→結局中止〜となったのも今年……。ヽ('A`)ノ

■で、そんなこんなで長くなってしまいまして&不景気な論調ではありますが、そんな中での個人的な『模型王』はババン!(←口で言う……)VOLKSの『ロボフィー』

■異論もあると思いますが、仕方ないんだよ!VOLKSは強いんだから、模型王には昔っから!(ちなみに一番最初の回の模型王はVOLKSの『信長』!!ヽ('A`)ノ)



タイトル 作成日 分類 キーワード 評価
模型王 2005 2006.01.03 賞モノ? エウレカセブン
アクエリオン
電車男は映画版が好き。

●『模型の王国 on WEB』 index→
トップページにもどります。

●『A4一枚堂』index→
目次にもどります。