環境新聞 27号 /別紙-1

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1998.07.16(木)


■で、ゴジラ。見てきたです。酷評もいっぱい見ますが、全然手放しでおもしろかったですー。

■まず『イグアナが巨大化した』とか『幼生ゴジラが200匹くらい出てくる』『ゴジラのくせにあっさり死にやがる』等々は全部ガセ!ほいで、エメリッヒ組故、前作ID4から世界観がつながってました。

■宇宙人の地球侵略から4年、奇跡的な復興をとげたアメリカを襲う今度は大怪獣。大統領選挙の真っ最中(でも対立候補に押され気味)の大統領、あいかわらずうだつあがんないのにゴジラの出現をいち早く察知するメガネのやつ。その報告をとりあわない議会。大統領バッジ(あるのか、そんなモン?)を床に叩き付けて『私はたったひとりでもこの国を守ってみせる!』とタンカを切る大統領。軍規を犯してまで自分の部隊を率いてかけつけるウイル・スミス(燃える!)あと、いい感じの美少女に成長した大統領の娘と心を交わしそうになるゴジラとかはちょっとヤリ過ぎ(笑)

■極めつけはクライマックス、オキシジェン・デストロイヤー(ここ英語っぽく読むコト)をかかえたウィル・スミスとメガネがゴジラに食われそーな瞬間その前に垂直に突き刺さる直径23kmの円盤!『遅れてすまなかったな、ミスター・プレジデント……』ひゃー!そこまでやるんだったらゴジラもやっつけてってくれよ……ってのは言わない約束ですな。

■ーーーーってなつまらないネタはおいといて、ゴジラ、個人的には頭の造形がすごくイイと思うです。プリン型を前後に伸ばした基本フォルムとアゴの上下の比率だけで、何も装飾を加えてないにもかかわらず、何にも似てないアイデンティティのある顔になってます。でも、逆に今までのゴジラ造形に囚われた人にはそこへの思い切りみたいなものが足りなくてうまく再現できないかも……とかも思いました。



■で、で、『アンドロメディア』以前ちょっと触れました渡辺浩弐の小説(環境新聞 13号/時事ネタ-X/リアリティへの最後の牙城)をSPEED様主演で映画化。この三題噺の時点でどー考えても無茶(笑)なんですが、それへの解答と考えるとよく出来てるとは思います。

■その辺の事情を考えると、どーしても、原作でオイら的に一番おいしいと思った部分(ピグマリオニズムっつーかロボ少女への愛おしさ/テレ泣き)は食べられっこないってのはわかるんですがー、やっぱしちょっと物足りません。

■逆に個人的にはどーでもいー(とゆーか、むしろ積極的に止せばいー)と思うサイバースペース(笑)でのヴァーチャル(笑2)島袋のCG表現なんかは、世の中的には絶対外せないでしょうから、ちゃんと正面きって挑んでます。出来も結構よくって、なにより納期とかを考えるとすげーカット数。ハリウッドなら丸々1年くらいかかるぞって感じ。やるじゃん!

■あと、確信犯かどーかは不明ですが、サイバースペースの描写が結構古典的なのも”トロン原理主義者”としては、ちとうれしいです。まあ、こーゆービジュアル・イメージ表現ってのは、ある種の天才がガツーンと刷新しちゃう以外どーにもなんないので、そーゆー才能が現場にいない時点で、割り切っちゃって『無理しないで今回はアリモノで行くよー』ってジャッジは正しいなあーとか思いました。

■あとあと、多香子ちゃん(前髪そろってていつも恐い顔してる子)があんがいイイ役なので、ファンは報われますんでお勧めかもー。

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