A.スカルピー造型入門 (全7回)

2011.02.08更新

スカルピー パッケージ外観 ■フィギュアに使われる造型素材の中では比較的後発の(といっても日本で広まってから15年くらいは経つ?) 『スカルピー』という商品名の樹脂粘土。硬めの油粘土のような作業性で、へらや手指で形状をつくっていき、最後に オーブンや電気ストーブなどで焼き固めます。

■焼いて硬化させるまではやわらかいままなので、いつまでも、何度でも修正が可能。繰り返し練習にも使えます。 また粘土のように塑造できるのを生かして、やわらかい表面にいろんな素材を押し当ててテクスチャーを再現 することも得意。表面がウロコや血管、粘膜で覆われたクリーチャーの再現に強みを発揮するので、海外では 特撮映像作品のモンスター造型などに使われていました。

■日本ではそうした表面のタッチを生かした怪獣やリアル系の人物造型にくわえ、アニメ系、デフォルメ系の 美少女フィギュアにも使いこなす人が現れ、そのノウハウが広まるとともに、また静かなブームとなっている造型素材です。

■ただ、へらの扱いや表面の性情を扱う人間がそれなりにコントロールしなければならないので最初のハードルは高め。 典型的な『上手い人が使ってるのを見ると簡単そうだけど、はじめて触ると全然出来ない!』系の素材でもあります。 今回のコースではそのあたりを中心に基本的な素材の扱い方と、人型にまとめる際の使いこなし方を 実演も交えて紹介していこうと思ってます。

■上記のように怪物から美少女系まで作れるモノの幅が広いので、何を作るのか?にも 悩むところだとは思いますが、まずは初回に第1〜第3希望くらいまでのアイテムの資料を持ってきて 教えてください。こちらの例題はなるべくそこから最大公約数的なデザイン(たとえば美少女の半身が妖怪〜とか?) にしていこうと……。


 1.素材に慣れる&原寸スケッチ
 2.顔の造型-1
 3.顔の造型-2
 4.体の造型-1

 5.体の造型-2
 6.服、髪の造型
 7.組み上げ&調整


  ■内容はざっと↑こんな感じになります。 想定している対象レベルは”他の素材で一度は何か作ったことがある人”素材の扱いが軸になるのと、 人体を要素ごとに分けて作っていくのがあまり得意ではない(一発勝負に近い)素材なので 人体デッサンや各部の捉え方はあまり扱えないと思うので、むしろ、そちらを重点的に知りたい 方や、そもそもこれから1作目を〜という方は『B.ポリパテでつくるフィギュア原型』の方がおすすめです。

■初回(9/10(土))は、ガイダンスということで、素材や工具の紹介と、2回目以降に作るアイテムの 原寸スケッチを描くあたりまで。本格的には2週目以降に作業してもらおうと考えています。 ちなみに、そこで使うおすすめ銘柄は『グレースカルピー』(写真にはすいません、写ってないタイプです)。 工具は針状のものと耳かき状のへらが各1本。あとは出来た原型をつぶさないような容器(タッパー等)でしょうか?

■あと必ず持参していただきたいのは、今回このコースで作るキャラ、アイテムの 資料(元になる絵やスケッチ、写真等)。それを元につくる原寸サイズでスケッチを 初回の後半んも時間で描くので、筆記用具一式を。