ENVIRONMENT WEEKLY vol.29 1998.09.16

環境新聞 29号
1998年9月16日(水)
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模型の王国/目次までもどります

特集:このころの出来事スペシャル2
■えー、またもや『このころの出来事』のみ。
特集で予定してました『ロボット甲子園』参加ページが、他のトコみたいな学校概要からはじめるフォーマットが全然できなくて(みんなよく考えるよー/汗)じゃんじゃん時間が流れて、しかも今日やんないと仕事模型の締め切りとかの都合で、もお来月まで無理じゃな〜い!ってんで、ないよりいーだろ号発行となりました。

■期間的にはワンフェス終わってから今日まで1ヶ月以上。うわー長えー!てゆーか、今年の夏はワンフェスの時期が早いから、たっぷり夏だぞー!とか思ってたんですが、長年のワンフェス漬けのせいで、体内時計がすでにワンフェス準拠になってるもんだから、イベント終わったとたんに夏の終わりモードに突入!逆に、なんか早く終わっちゃった感じで、すげーバランス悪かったです、今年の夏。






このころの出来事スペシャル2
1998.08.15-1998.09.16


\38,000本完成記念トークライブ見に。
秋葉原までのこのこ行ってきました。実はボークスはおろか海洋堂ラジ館店もはじめて。あー、どっちもなんかすげー物量で模型だらけです!文字通り総力戦だなあ……。

ってのはおいといてトークイベント。場所はそのラジオ会館ってゆーボークス&海洋堂の入ってるビルの8階ホール。教室2部屋分くらいの会議室の床にぺたりと座らされる、まあワンフェスとかのイベントとおんなじスタイル。入れるかどーか、心配なんであらかじめ電話で問い合わせたら『整理券150枚用意してます。でも当日足りなくなったら、すいません』とのことだったんですが、会場にはざっと50人くらいってトコ?うちスタッフやら関係者が10人くらい。

司会進行はインタビュー部分をまとめたライターの方で、ゲストに今やすっかりトキノヒト、海洋堂/宮脇専務。お話のネタは写真集の紹介→原型師の人達ってどーゆー人なんですか?→写真集の裏話&こぼれ話→どーゆー経緯で海洋堂に話をもっていったか?→最後に軽く抽選会(当たりはパブ用ポスター)てな感じで13:00〜15:00まで2時間キッカリ。話のあいまあいまに取材時にまわしていたビデオがかかってました。

インターネット中継用に終始2台のビデオまわしつつ、そのWEB画面もモニターとかに出してたり(それがなんか落ちたり固まったり青くなったりしつつ/笑)で機械にはりついてる方をはじめとして、スタッフの方がいっぱいいてなんか結構重装備なイベントでした。

で、肝心の『面白かったか否か!?』なんですが、オイらは事前にインタビューとか全部読ませてもらった上に、会場で見つけたアニドゥ様(写真集スタッフのひとり)の横に座って副音声(笑)で、目の前で話してる裏話のさらに裏話を聞きながら〜という最高にガウンなポジション(笑)で見てたんで、無茶苦茶面白かったです。でも、本を買うかどうか迷いつつやってきた、内容を知らないお客さん的には多少雲をつかむような感触だったんじゃあないかなあ?


■映画/ガンダム
このころ〜の期間中に見たのはガンダム映画ビデオ総集編2本立て(笑)とナデシコ&スレイヤーズ2本立て、あとSF/サムライフィクション。まあオタクスタンダードですな(自嘲)。

ガンダムは2本とも終わった瞬間会場中落胆のため息。中坊の団体やらコミケ前日だから地方からきたついでの御姉様2人連れとかはみんなビデオ見てるからねー、やっぱし。オイらは幸いどっちもビデオ見てなかったんで楽しめました。でもお話の都合で、アプサラスが単座なのは納得いかーん!。


■映画/ナデシコ
これもTVは面倒なんで見てなかった(30分 x 26話ってエンターテイメントとしちゃあ、もおヘビーでねー←おっさん)んで映画になったのを幸いに見にいきました。世間では『説明不足』との評も見ますが、元を見てないんで、解り難いトコロは勝手に『あー、たぶんTV版見てる人には通じてるんだろーなー』って納得&補正しつつみてたんで問題なし。おもしろかったよ、なんかSFで。

スレイヤーズはまあ、オイらが喜ばなくてもいー種類のモノでしょー。場内の女子中学生4人連れとかはウケてましたし。でも、アレっすね、コメディリリーフが半裸の巨乳ってのは絵的になー……。ズッコケ(死語)大股開きとかが絵になりません。

SF/サムライフィクションはindex日記で書いたとーり緒川たまきグッ!(GOOD!)画もいーよ。手慣れた小品度高くて気持ちいーです。オチもグ!


■無駄使い道
狂気(ファナティック)!のおもちゃとして評判の高いタカラ/ビーストウォーズのトリプレダクス買いました。うわー、1回合体さしたらもお、カブトムシ戻せませんー!ひがもえる氏のBBSでも書きましたが、オイら的には高くて買えなかったスタジオハーフアイの3体可変合体ガレージキット完成品『ザガン』の代替物としての位置付け。故に合体形態は勝手に『爆旋龍』と命名。

ちなみに3体セットが売り切れてたのでバラで揃えたんですが、そのバックカードがセミが雑木林、エビが磯の写真になっててジオラマっぽくなってるんですが、カブトムシはスイカ。それも切った奴(笑)。いやー、わかるんですがね……。




■夏コミ
もおずいぶん前の出来事ですが、いちおーそのころも『このころ』ってコトで。日曜のみ行って、ロボい本とかオモチャ本とか買いました。たまたま買ったのがそーだっただけなのかもしんないんですが、みんな真摯っつーかマジメっつーか、あまりに『戦ってて』心をうたれたりして、CHOCO氏とか大槍(漢字出ません)氏とか。


■オフ
生まれて初めてオフ会にいきました。オリエンタルテクノロジー x 電磁計画の合コン。オリテクツーシンでおなじみ、さしださんの奥さんも来てたんでかねてよりの疑問『旦那がおんなじよーなオモチャばっかし買っててアタマきません?』と聞いてみたら『”おなじような”じゃないんですよ!”全く同じ”のを保存用、遊ぶ用〜とかいっていっぱい買うんですよ!』アタマきてるよーです(笑)。


■オフ2
翌週、今度はイワサ博士仕切りの飲み会。博士いきつけのちゃんとしたパブでちゃんとしたビールを、これまた生まれてはじめて飲んで泡のなめらかさに感動!ちゃんとしたイタリア料理屋でちゃんとしたペペロンチーノ(比較対象:スパ王のペペロンチーノ)をはじめて食ったときに匹敵するショックを受けました。


■お仕事模型
ワンフェス終わって一週間はまるまるサボりましたー。あとは下請け原型が1件と、複製&完成品塗装のみ(原型は他の人)ってのが1件。他の方の作る原型見るのは勉強になるです。資質っつーか意識の持っていきドコロの違いなんかが面白いのと、こーゆー模型は自分には一生出来ない!とも思ったり。


■ハマってる食材。
ファーストキッチンの『じゃがバタポテト』うめー!週イチくらいで食いにいってるよ。でも、今日はなんか感動なし。飽き?


■インターネット・リンク
index日記で断片的に紹介してきた分をこちらに

『原えりすんの電気オタク商品研究所』
これまでにも何度か紹介しましたフィギュア王の連載『原えりんのオタク商品研究所』のWEB版です。オタクプロダクツの世界にあふれるダメなモノを『ダメ!』と言いきる快感はもちろん、物を見る切り口がいっぱい提示されてるのが勉強になります。

『STATION T.T.B.』
羽田のひげのおにいさんコト、めったに他人をホメない男(笑)からメールで薦められた、超絶3DCGのページ。技術も凄いんですが、技術じゃない部分も(うまく言えないんですが、『今週のヤマト』で機関長コンソール等をコツコツ作ってる根気あたりが)すごくて、圧倒されます。

『R-type's Room』
ワンフェス参加アマチュアディーラーR-type氏のページです。なにげに百識の法治がます。




買ったわけでもないのに、なんか引っ張るし……。

1998.09.16
text:東海村 原八

『美少女フィギュアの愛でかた』

■例の\38,000のフィギュア写真集を見て考えました。

■ご存知の方も多いとは思いますが、構成としては3分冊。モノクロで原型師本人と部屋の写真にインタビューをあわせたのが1冊。通常の写真集が1冊。そのうちキメのカットをフィルムに刷ったモノで1冊。

■ほいで肝心のフィギュアの写真は全部黒バックにフィギュアをポンッって立たせて、きわめてシンプルに撮ってます。ページ構成も1ページに1点って感じで、照明も基本に忠実、模型の色がそのままに出るようにあんまし演出とかしてません。そーゆープレーンな模型の写真が、原型師ごとにまとめられてます。ほいでさらに原型師の五十音順に並んでます。『あげた先生からはじまって竜人さんで終わるってのはなんかいーんじゃない?』ってのはアニドゥ様の言葉。

■ただ、そーなると、よくも悪くも全部の模型は並列に扱われるわけですな、つまり竹谷隆之の現物テクスチャアを多用した密度感溢れる模型とあげたゆきをの大面積をなめらかに仕上げたすべすべなフィニッシュが同じ土俵にのっちゃう。結果、やっぱし見栄えは圧倒的に質感チームの方がいいんですよ。

■竹谷隆之を筆頭に、荒木元太郎の半透明な肌と植毛、伊藤宏之の血管の浮き出た筋肉、木下隆志のレザースーツのしわ。対するアニメ(的表現の)フィギュアの美点、なめらかな肌、プレーンでシンプルな服、セル画の質感を反映したシャープな塗装、これらは写真になると、そして前者達の濃厚な表現と比べると、単に作業量が少ないようにしか見えない。

■もちろん、オイらもオタクのはしくれだから、そのアニメフィギュアなりの労力とかノウハウ、あるいはアニメフィギュアの尺度での職人的な優劣とかが厳然と存在してるのはわきまえてるつもりなんですが、やっぱり質感バリバリの写実的表現のフィギュアに分がある。それも圧倒的に!としか言いようがありません。少なくともこの見せかた、このルールでは。ちょうどアレだ、『強さ』の質が微妙に異なる異種格闘技戦でも、バーリトゥードのルールでやるとグレーシー柔術が強くなっちゃうみたいなもんだと。

■じゃあ、逆にアニメフィギュアの勝てる戦い方&ルール、すなわち正しい観賞方法ってのは何なのか?これは以前MG誌のボーメさんのニューヨークギャラリー展のレポートにあったそこのオーナーの言葉『ボーメは人形を手で持って作っているだろう、顔がみんな同じ方向を向いてる』って看破した話を読んだときにも思ったんだけど、結局『手のひらで愛(め)でる』のがそうなんじゃないかと。

■実際、多くの人形って顔はすごく下を向いてるんですよ。それこそ写真を撮ろうと思って、人形を立たせて、カメラを覗くとビックリするぐらい。ひとつにはやっぱし美少女フィギュアの性質上あごをひいた方が単純にカワイイから。昔のムサシヤのらんまとか頭が別パーツで首がボール状になってて、首の向きをクリクリ選択式ってのがあったんだけど、それとかもあごをひけばひくほどカワイイ(笑)。

■ほいで、なおかつ原型師が作ってる時点では手のひらのなかで横になってるわけだから、多少あごをひいて(フィギュアの)視線が下ヘ落ちていっても、ひょいと(フィギュアの)体の向きを変えるだけで視線は合うもんだから、ほんと意識しないとどんどんあごは引いていっちゃう。結果写真を撮る段になって、目線を追っていったらすげー下からあおる事になって、どーやってもパンチラになっちゃうんですケド……てなっちゃう。(でも、首と顔の関係だけでいったら、やっぱしソレがいちばんカワイイんですが)

■だから、逆に!それこそ見るほうも、どこかに立たせて見るんじゃなくて、手のひらにかかえて視線を覗き込めばいいじゃん。てゆーか、そもそも作ってる最中は全然そーやって接してきたじゃん!そういった作業中のいろんな向きから見た印象の断片を頭のなかでもういっぺん再構成した姿こそが『美少女フィギュア』に他ならないんだよ。
だから極論写真のベストカット用の決めの向きなんかなくてもかまわない。ほっぺのラインはこっちから見た向き、目はこっち、全体のポーズはこのショット……。

■そうやって考えるとキット製作の各工程ってのも、その断片をインプットしていく過程、手のひらで愛でてる、キットを楽しんでるプロセスそのものなんだな。ふともものパーティングラインを消す行為はその曲面のなめらかさを味わう(『味わう』って。いやーん…)ことに他ならない。だから当然美少女フィギュアの表面は写真に撮ったときに見栄えのする微細なテクスチャの凹凸でびっしり覆われている(うわー……)なんてことは許されない!と。




■次回はーちゃんとロボ甲…いや、ミクロ〜が先かなー……
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