模型の王国 on WEB/2nd season logo#b02
MODEL KINGDOM onWORLD WIDE WEB
/2nd seosn "flower age"
●『模型の王国 on WEB』 index→.
A4一枚堂/ file:0089 -『TVチャンピオン/第1回フィギュア王選手権』ナレーション参考用メモ』-
■とゆーことで、TVチャンピオンの、全部の収録が終わってから(当然寒河江さんの優勝も決まった後)

『ナレーションの原稿を作る参考に、作業工程や使った素材の名前等のできるだけくわしい説明が欲しいんですが……』


〜とのオーダーで書いた製作メモを、一部改稿して掲載しますね。

■実際には1時間半の番組の4人の選手のひとり〜というのもあって、ポイントのみをピックアップして使ってるんで、オンエアだけ見てると↓以下の文章が、何のドコに対応するのか?さっぱりわかんないとは思いますが、まあせっかくテキストにしてあったので、再利用というコトで……。




2005.01.05
to.ゼロクリエイト/豊川様→TVチャンピオン『第1回フィギュア王選手権』関係者の皆様

原八製作分作例 ナレーション参考用メモ

・第1ラウンド/VOLKS 社製、エクセレンブロウニングリメイク対決→ミニスカポリス


↑第1Rの会場。十思スクエア
小伝馬町の廃校になった小学校改造の市民センター。
もっとも改造されてるのは3階建ての2階まで、3階は
廃校テイストそのままの重厚かつ懐かしい造作のまんま。

■課題フィギュアの素材がポリストーン(という石膏を混ぜた樹脂の一種)と判明した時点でそれまでのポリウレタン・レジン(という樹脂。こちらがフィギュアの素材としては一般的で加工も容易)素材を前提としたリメイクのプランは全部放棄。

■加工が難しい(硬い)ので、1mmたりとも削ることなく出来るリメイクは?ということで塗装を変えるだけでできる題材ということでキャラクターのイメージ(セクシー姉さん)にもぴったりなミニスカポリスに。

■唯一の削りポイントとして、ガーターベルトの後ろだけをナイフで削る。

■前髪の接着面にナイフをこじ入れてバラす。

■塗装を落とす。まずは何種類かのシンナーを使って、どれを使えば塗装が落ちて、なおかつ素材は侵さない(強すぎるシンナーは樹脂そのものも溶かしてしまうので)かをテスト。結果、使ったのは『Vカラーシンナー』(ぶいからーしんなー)。

■フィギュアにティッシュペーパーを巻きつける。そのまま大きめのビニール袋に入れてシンナーをティッシュに染み込ませるように投入。しばらく放置。

■30分〜1時間で溶けた塗装をティッシュでぬぐう。この作業を2回繰り返し。それでも落ちない細部の塗装は筆やナイフの先端を使って削るように。最後にサンドペーパーで荒れてしまった表面を整形。

■塗装以外の加工は、ポリストーン素材を削らなくて済むように原則として”足していく”工作のみ。

■帽子をポリウレタン・レジンのブロック(別件の複製作業の際に余った分を製氷皿で固めたておいたもの)から削り出す。おおまかにニッパー(という名前の金属はさみ)を使ってカット。それを芯にエキポシ・パテで追加造型。帽子のカタチにしていく。

■おおまかなカタチが出来たところで電気ストーブの前にかざして加熱。硬化を促進させる。(硬化時間は寒いと4時間〜丸1日。加熱するば1時間ほど)

■硬化後、ナイフで削って形を整え、サンドペーパーで磨いて表面をなめらかに。

■前髪は帽子と干渉するので削る必要がある。でも元のパーツは硬いので別のフィギュアの前髪を移植。たまたま自分でも作ってた他社(トイズワークス)の同じキャラクター(エクセレン)の試作品のポリウレタン・レジン製パーツが手元にあったので、それを流用。

■ただし顔のサイズそのものから2まわりほど大きいので、流用の髪パーツを一度分割。幅を狭めて再接着。髪の先端もVOLKS版の顔に合わせて切り詰めて微調整。あわせて帽子にあわせててっぺんも削る。

■もう一箇所の追加工作は襟元。ベアトップの上着を首まで延長して襟をつくる。素材はエキポシパテ。工作手順は帽子と同じ。ネクタイは塗装の便を考えて別部品で製作。素材、工法はこれも同様。

■部品が一通り揃ったところで塗装。ベースホワイト(という名前の下地塗料)の缶スプレーを吹き付けて表面を滑らかに仕上げる。帽子、ネクタイの青はそのまま缶スプレーのブルーを吹き付ける。

■肌にはグラデーションをかけたいのでエアブラシを使用。他の人と違って、使うときまで机にはセッティングしない(机も狭いしねーヽ('A`)ノ)。工程にあわせてその都度工具や道具を片付けたりバラしたり。塗装の際には机に白い紙(ただのコピー用紙)をしいて反射による映り込みを避け、また不用意に机に置いたさいに塗装面が硬いモノにぶつかってこすれるのを避ける。

■肌色は白にクリアーオレンジと赤、黄色を加えて調合したオリジナルレシピ。少し濃い目の半分カゲ色くらいに調色。下地の白を生かして、透明水彩画で紙の地の白を塗り残す要領で少しづつ吹き付けていく。あごの下、耳の周辺等、最終的に一番暗くしたいところから吹き付け。そのあたりを100%の塗りこみとすると(とはいってもベタ塗りよりはまだ薄い)すると鼻の下や口許が60%、ほっぺやおでこが40%、鼻筋、眼窩の上あたりが20%くらいの拭きつけ加減で、最後に調整、塗り分けの境界をぼかしがてら全体に薄く均一に肌色をコートして仕上げ。ちなみにこの塗り方は20年くらい前のホビージャパン誌のライター(模型をつくって記事を書くプロモデラー)の黒沢氏に教えてもらった。

■肩や脚も同様にハイライトを塗り残すグラデーション塗装を。ただし脚はさらにストッキング塗装をするのでコントラストをキツ目に。

■ストッキングは他の部分をマスキングテープで覆って、そこに黒を薄めて吹きつけ。見る方向によっては嘘になるが、脚の側面を濃く吹きつけ、正面を薄く塗り残すと一見、ストッキングの、繊維が伸びて半透明に見える様子が再現できる。ストッキング上部のレース模様は細い筆で丁寧に描き込む。花模様(?)をおおまかに描いてから、隙間(?)を地の網目模様で埋めていくのがコツ。

■瞳は肌を塗る前にテープでマスキングしておいて、下地の白塗装の上から描き込み。まず薄い色(今回はライトブルー)でおおまかにあたりをとりながら、視線の向きに注意しつつ様子を見て少しづつ描いていく。

■虹彩の透明感を出すために濃いブルーから白に近いライトブルーまでグラデーションをかけつつ瞳を濃く描き込んでいく。平行して上下のまつげ、黒目を黒で、ハイライトの星を細筆で描き込み。いずれも最初は細く遠慮がちに。、イケそうなところでちょっとづつ太く濃く。

■まゆげを髪にトーンを揃えたオレンジで、唇を薄いピンクで、半分かすらせるくらいのタッチで薄く描き込み。このあたりをくっきり入れると『おてもやん』な感じに見えるので注意深く。

■髪のイエローは別パーツの前髪、ポニーテール部は缶スプレーで吹きつけ。後頭部の分はマスキングがたいへんなのでそのまま筆塗り。

■このあたりでだいたい時間切れ。慌ててジャケット(?)スカート、ブーツのライトブルーを筆塗り。ミニスカポリスの記号的なパワーが強烈なので、とにかくこの色が入った途端に、もおイキナリ、ミニスカポリスにしか見えなくなりました……。ヽ('A`)ノ

■細部の黒、白、黄色、金具やボタンのシルバーを筆塗りタッチアップで。帽子に入るエンブレム(?)をパソコン+専用プリンター(友達から借りてるALPUS社のMD-5500)でつくった自作デカールを貼って、とにもかくにもロールアウト。

■付属のベースは取り付け強度に不安があったり色も不満(黒一色でちょっと重い)なんですが時間切れと、この先の輸送の便のこともあってそのまま。最後の最後に位置を真後ろからおしりの横に移動したガーターベルトをスタッフさんから借りたスタジオ御用達(インタニヤもコレだった)黒い紙製ガムテープ(?)を細く切り出してペタリ。これは逆に質感等ちょうどピッタリでしたよ。


こちらも第1R。カメラのキャリブレーション中?
ちなみに上述のように普段は未使用な3階ゆえ
暖房は持ち込んだ家庭用ストーブのみ。
換気用に窓開けてるせいもあって寒かったよ……。




・第2ラウンド/和田アキ子で丸まって寝てるトコ+猫


第2Rの、こちらは審査会場のセッティング中。
池袋 すいどーばた美術学院。
作ってるトコは写真撮ってないんですが、
バックの赤い布がクセもので……

■第1ラウンドの経験で、相当作業量を切り詰めたつもりでも時間がなくなる、予想よりもはるかに何もできないことが露呈したので、その反省からとにかく作業量、工数を減らす(というか節約する)ことを第一にまたもや用意してた初期案を全放棄。イチからコンセプトを練り直し。

■特に塗装は最後の最後になるので、凝ったコトを考えていても、結局割りを食ってどうにもならなくなるので、逆転の発想でとにかく色数、マスキング工程を減らすように。幸い(?)”萌え”が課題なので、白パジャマの清純イメージで。

■背中を丸めて寝てる胴体(?)は手足まで完全に一体で塗装まで済ませて、別パーツの手首足首と頭の5パーツだけが肌色で塗装すればいいように構成。最悪の場合、白はベースホワイトの吹きっぱなしでもいけるように。また寝てるので裏面(?)を仕上げる工数が減る、ベースに立たせる工作(これも最後になるので1分1秒をあらそう場面ではぞんざいになって、最悪まともに立たない)も省ける〜と、時間削減にはもってこい。

■工程としてはパジャマを着た胴体+手足(以後、”本体”と呼称)と手首足首、頭に分けて進行。本体は硬化時間が早いポリエステルパテ(通称・ポリパテ。車の板金用のパテ)を使用。頭と手足は第1ラウンドでも使ったエキポシ・パテで製作。

■原寸で描いた直立ポーズのスケッチにあわせてまずは骨組みをつくる。素材はポリウレタンレジンの棒材。第1ラウンドの製氷皿ブロックと同じく、別のキットを複製した際の廃物(キットにはならない”湯口”部分)の利用でもあり。

■そのレジン棒を原寸図にあわせてニッパーでカット。両端に穴を開けて、直径2mmのアルミ製の針金(鉄やステンレス鋼の針金と違い、やわらかく曲げやすい)で繋いで間接に。これを順番につないで、ちょうどデッサン用のポーズ人形のような姿としてまずは全身を揃えてバランスをチェックする。

■この”素体”をすこしづつ曲げて寝そべるポーズにしていく。自分でもポーズをとったりして姿勢や間接の向きを確認しながら。おおまかに決まったところで間接に瞬間接着剤を流し込んで固定。

■手首足首は同じ原寸図から別途製作。こちらはエポキシパテで。工程は第1ラウンドの帽子、ネクタイに同じ。頭もおなじくエポキシパテ製だが、こちらはもう少し丁寧に。硬化前にある程度顔の造型をすませておく。電気ストーブで加熱→硬化後、ナイフで削って微調整、場合によっては追加でパテを盛り足して似せていく。(もっとも今回は”似せる勝負”からは寒河江さんの手前降りちゃって、”具体的には似てないんだけど、なんとなく本人に見える”あたりを落としどころにしてるんですが……ヽ('A`)ノ)

■ちなみに髪は工程的には顔と分けてるがパーツ分割としては一体で。まず丸坊主で一旦顔を磨いて仕上げてからそこにエポキシパテを盛り付けて作業した。

■エポキシパテのパーツの硬化待ち時間を利用して本体の作業を。先にポーズまでつけた素体におおざっぱにポリパテを盛り付けていく。ポリパテは完全に硬化するとそれなりに硬いので、半硬化のタイミング(盛ってから10分くらい)でナイフを使って荒削り。半硬化状態だとだいたいチーズを切るくらいの感覚でにゅいにゅい作業が進む。

■その盛り+削り工程を一気に3セットほど繰り返して、まずは裸の状態まで持っていく。表面に軽くサンドペーパーをかけてでこぼこは多少なだらかになっているが、ほとんどがパジャマで覆われるのであえて仕上げは行わない。

■別に進めていた手首足首と頭を仮にあわせてみてバランスを確認したところで服(パジャマ)を盛り付ける。素材はエポキシパテだが顔や手足を作ったものとは別のタイプ(WAVE社の軽量エポキシパテ)。キメはやや荒いが硬化が早く、またざっくりした布の質感が作りやすい。

■パテを練り合わせておおまかに盛り付け。下半身からまずは着せるようにくるみ込んで、そこに千枚通しやスパチュラ(という名前の彫金用工具)を使ってしわを、パテの層を押し込むようにして作り込んでいく。ズボンがおおまかに出来たところで、また電気ストーブで加熱→硬化。同じように上着側も盛り付ける(一度に盛り付けると持つところがなくなるので)。

■服を盛りつける前にワセリンを塗ってパテがくっつかないようにしておいた(”離型処理”とも言う)手首足首、頭を引っこ抜いて、本体の仕上げ作業。しわや袖口を中心にラインの乱れたところをナイフで削って修正→サンドペーパーで磨いて仕上げ。

■さらに表面の細かい凸凹を均一にならすためにサフェーサー(と呼ばれる表面仕上げ材。液体状のプラスチックもしくは濃い目の塗料のようなマテリアル)を塗ってまた磨く。キメが粗目のタイプを筆塗りを2回、その後キメの細かいタイプをスプレーで1回。合間にサンドペーパーでの磨きをはさみつつ……。

■だいたいなめらかになったところで第1ラウンドと同じくベースホワイトの缶スプレーを吹いて下地塗装とする。

■顔、手首足首については肌の透明感を出したいのでサフェーサーは塗らずに、素材(エポキシパテ)の白色をできるだけキープしたまま磨いて仕上げ。ベースホワイトの後で肌色のグラデーション塗装は第1ラウンドと基本的には同じ。

■ただし髪の毛だけはリアル系の似せ顔フィギュアなのと、基本的に白一色で露出オーバー気味に仕上げたいので、ベタ塗りでしかも黒一色だとべったりと重くなるので、肌と同じく透明水彩的に紙白を残して描き込むような塗り方で。具体的には”天使の輪”にあたる箇所をハイライトとして白100%で残しつつ、髪のスジを一本一本、描き込むように髪色(今回はあえてブラウン系を使用)を置いていく。今回はその白(+露出オーバー)テーマもあって『まだちょっと白すぎるかな……』くらいで止めてます。

■このへんまでで時間の余裕が見えたので 『時間があれば作る。なければ最初からなかったことにしてしらばっくれる』つもりだった猫に着手。毛並みを再現しやすいスカルピー(というプラスチック粘土)をアルミ板にぺたっと貼り付けてそのままその上で半分レリーフ的に作っていく工法で、フィギュアとおなじように丸まって寝ている猫を製作。ちなみにこの工法はちょっと前の模型塾でゲスト講師に来てもらった人気原型師浅井氏に直伝で教わったもの。

■おおまかな形を千枚通し&スパチュラで造型後、毛並みをデザインナイフの先端で刻んでいく。そのままではギザギザと毛羽立った印象になるので、シンナーの一種(エナメル・シンナー)を筆につけて表面を少し溶かすようになでつけてなじませた。こちらも最終的にベースホワイトで下地処理。

■塗装も白パジャマにグラデーションをかける時間があったので、カゲになる側にアイボリー、茶色を使って影色をエアブラシ塗装。最後にトーンを揃えようと白+アイボリーの”生成り白”をうっすらとコート。撮影用のバックに貼られた背景布の赤がパジャマの白にバッチリ映りこんで難儀……ヽ('A`)ノ

■最後に前日近所の丸井インザルームで買った透明な皿に直径をあわせてカットした脱脂綿を敷いて布団(?)ベースを製作。塗装が乾いた本体に針金で手首足首+頭を繋いでポンと置いて完成。猫の向きにちょっと迷いましたが。

■あと工程とは関係ないんですが、第1ラウンドで苦労した椅子(パイプ椅子に連続で座って腰を痛めた)の経験から普段部屋で使ってる人間工学なワークチェアを持ち込み(〜というか、友人に他の工具ともども車で運んでもらった)のおかげで、見違えるように楽になりましたよ。

第3ラウンド/アイドル50cm大フィギュア対決→加藤夏希xスピードスケート






第3Rは秋葉原の代アニ。
作るコーナーとゲスト紹介&表彰用
ステージを対面でセッティング。


■課題は50cm大というサイズ。これまでと同様時間が短いこともありやはり”作業量・工数の削減”からなるべくシンプルに。作業的にはほとんど裸に近く、”服”として作る必要がない全身タイツ→スピードスケートに。

■またスケートの刃で50cm大のフィギュアの重量を支えるのは難しいので、逆算的に座りポーズに。得意の”横顔が正面”になる構図でポーズを決定。

■大きさについては工法から研究、今までにない手順も開発。まず手ごろな1/8サイズでエスキース(習作)を製作。本番と同じパーツ分割として、もうソレを正確に拡大することで、試行錯誤や盛り削りの修正を最小限に抑える作戦に。

■1/8エスキースは第2ラウンドと同じレジン棒骨組み+ポリパテ製。肩の表情や首まわり、おなかから腰にかけての表現にかなり試行錯誤したので、これを本番サイズでやってたら……と思うとガクブル……。

■分割後、各パーツを真横、真正面等からデジカメ撮影。拡大の際のガイドに定規を一緒に映し込んでおく。パソコンに画像を取り込み画像処理ソフトで輪郭等把握しやすいように画像を調整。寸法を調整(確か2.2倍)して50cmサイズでプリントアウト。




こちらがそのデジカメ画像(の一部)。
寸法を見るトコまでなのでスーツのディテール
は入ってない。顔はまだちょいリアル寄り〜
なのがイマイチだったので、大サイズでは
思い切ってアニメ顔に振ることに……

■印刷した50cmサイズの拡大画像をはさみで切り抜き。スタイロフォーム(建材用の高密度発砲スチロール板。安価で切削も容易)に貼り付けて、側面形を切り出す。手脚はそのまま、スタイロフォームの1枚板から切り出し。胴体、アタマは左右で2枚貼りあわせて厚さを確保。

■切り出したスタイロフォーム板を大きめカッターナイフで断面を丸く整形。最終的な外寸よりひとまわり細く削り、まわりをマスキングテープでぐるぐる巻きに。そこにポリエステルパテを外皮として5mm厚程度に盛り付け。スタイロフォームに直接盛り付けるとポリパテの溶剤(シンナー分)で溶けたり発泡したりするので。

■硬化後ナイフで荒削り→サンドペーパーで磨く→まだ足りない部分にポリパテを盛り足し→ナイフ→サンドペーパーを何度か繰り返し。ポリパテ製のモノコック構造(?)が出来たところで胴体に手足をアルミ針金で接続。角度を調整&ラインをつなげるためにさらにポリパテで盛り削り。

■頭部も同じようにポリパテのモノコック製。写真を見ながらモデルさんに似てくるまで調整。第2ラウンドと同じく、そっくりなぞるというよりは、アニメ風美少女造型のフォーマットに特徴を移植していくイメージで。加藤夏樹の場合のポイントは眼窩の深さ、シャープなアゴ。アーモンド型の瞳のカタチ。口角の奥まった感じ?あたり。

■髪はアップに。一番最初に撮ったスチル写真を見ながら、ここは時間短縮のためWAVE軽量エポキシパテで造型。ちなみに写真撮影の際にはプリントが確実にできることと、コンパクトデジカメだと構えたときに”遊び”っぽいムードが出て、モデルさんに、良く言えば失礼、悪く言えばナメられると思い、あえて使い鳴れた35mmのポンコツ1眼レフを引っ張り出して使用。結果的には(古典的な)シャッター音が意思疎通のチャンネルになりました。このへんはいい経験というか勉強になったトコロなので、この先もちょっと意識してみたいテーマに……。 -このあたりで一日目終了-

■胴体スーツの"しわ"をつくる。ポリパテを細く、竹串でライン状に盛り上げる。硬化後、高さ、幅をナイフで整形。胴体表面との段差にさらにポリパテをすり込んで、逆R状に整形。

■しわ、スーツ表面を一緒に表面仕上げ。キメの細かいタイプのポリパテ(ワーク社の”スベスベ”という銘柄を使用)を細かい傷や凹み、気泡にすりこみ→硬化後にサンドペーパーで磨く。サフェーサーを筆塗り→サンドペーパー→缶スプレーのサフェーサー〜の表面仕上げは第2ラウンドと同様。

■スケート靴はプラ板から切り出して何枚か貼り合せて製作。デザインは本物のスラップスケートが軽量化とカーボン素材の特性からシンプルでそっけないので、嘘をついてちょっと未来メカっぽくアレンジ。

■スーツのデザインも本物は空気抵抗や伸縮性優先でデザインとしてはあんまりかわいくないので、嘘でしわをあえて入れて切り返しや素材表現(エナメルだったり、ストッキング素材だったり)を。ただ、手足のカット位置は元ネタ(FSSという漫画のパイロットスーツ)から離れようといろいろ四苦八苦したものの、やっぱりカワイイのはココしかないなあ……とぐるっと回ってそっくりに……。ちなみに加藤夏希は『これ、あの漫画の……』と説明したら『あぁ!』〜って。(笑)さすが”こっち側”の人間……ヽ('A`)ノ

■塗装は手足のエナメル表現はベースホワイト→影色にアイボリー→全体を覆うように生成りの白。全部光沢のスプレーでテカテカに。吹きつけ時には3mm径のアルミ針金をU字型に曲げて差し込み。グリップとし、乾かすときにはハンガーラックにSカンを介してぶら下げる。サフェーサー工程も同様。大きなパーツの養生には棒に突き刺してスチロールブロック等に串刺しにして立てるよりも安定性等から具合がいい。

■肩まわりはグレー。胴体は黒でグラデーション塗装。サフェーサーのグレーを最も明るい部分として塗り残す技法は第1ラウンドのストッキング等と同じ。髪も第2ラウンドと同じ。ただし今回は筆で髪を描き込んだあと、トーンを揃えるため最後に茶色を薄くオーバースプレー。

■顔も第1、第2ラウンドと同じ。サイズが大きいので瞳や唇の描き込みはグラデーション等は緻密に。まつげには植毛(人形用のつけまつげ等を流用)も実験したが、ゴージャス過ぎて案外似なくなったので(年齢が上がりすぎた)放棄。筆の描きこみに留めた。アイシャドウ(?)にはタミヤのウェザリングマスターを使用。

■そで口のレース(?)には、蔵前の『木馬レース』のレーステープ#163005Cを使用。縦に半分に折り曲げて裏面に両面テープを貼って手足に巻きつける。

■左腕側面の”n”ロゴマーク(?アールユージーンズの加藤夏希コラボ版のバックポケットに入るラインストーンをどっかに入れてください〜という本人のオーダー)にはネイルアート用の小径ビーズを使用。あらかじめドリルで腕パーツにちいさな穴を開けておいて、白エナメルの塗装後、そこに一粒づつ埋め込んで接着。最後に筆で赤、ピンク、シルバーのコンビネーションのラインを描き込む。

■ベースは東急ハンズで売られている規格サイズの透明アクリル板を使用。3角形に組み合わせてエポキシ接着剤で固定。

ー以上ー 文:東海村 原八/模型の王国



タイトル 作成日 分類 キーワード 評価
TVチャンピオン
ナレーション用メモ
2006.01.27 TV 木馬レース
ru JEANS
特にオチはありません……。

●『模型の王国 on WEB』 index→
トップページにもどります。

●『A4一枚堂』index→
目次にもどります。