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A4一枚堂/ file:0082 -繰り返しの悪魔〜webのコワいところ- |
■珍しく時事ネター。
■つーか前々から思ってたコトを、世間を騒がせてる事例にかこつけて書くんですが……例の佐世保の事件 (2004年6月、長崎県佐世保市の小学校で6年生の女子が同級生にナイフで首を切られて死亡〜という事件が発生。ネット上でのトラブルが一因として大きくとりあげられた) 、あんまりワイドショーとか見ないんでラジオの寸評ニュースくらいがソースなんですが、それでもどうやらネットがらみの怨恨が語られてる模様。 ■とうぜん”あちら側”の勢力からは 『だからバーチャルな人と人の触れ合いのない冷たいゲーム脳がコドモの心を蝕んで!』 みたいな批判&それに対して”こちら側”の 『それみたことか!的になんでもかんでもネットのせいにするのはナンセンス!!』 〜という、これまたお決まりの言説の応酬。 ■で、そのへんのやりとりの中で、どっかで誰かがもう言ってるとは思うんですが、こういう 『人の心を揺さぶって大事をおこしてしまう』 場面でのネットとかの恐い(&心に”効く”)ポイントってのは、バーチャルだからでも、デジタル環境でも、匿名性でも、ましてや刺激の強い性や暴力情報(&そこにコドモでも容易に有害情報アクセスできるうんぬん〜のゾーニングの問題)でも決してないと、個人的には思ってまして……。 ■じゃあ何がいったい心によくないかというと、ネット環境(含む:電子メール等)の、 『受け手が(送り手の意図と関係なく)無限に繰り返し、心をゆさぶるテキストにアクセスできてしまう』 点なんじゃないかと。 ■リアルで対面だと1回言った悪口は聞く方も原則的には1回なんですが、これがネットの上やメール等のテキストになると、受け手はもお何度も何度も繰り返し読んでは自分の中で悪意を増幅できるわけですよ。 (いえ、もちろんリアル環境でも悪口を覚えていて自分の中で反芻していく人とかはいるんですが、逆にゆーと一般人でもそうした怨みっぽい人並みに感情をブーストできてしまうのがネット環境だと……) ■BBSなんかでの言い争いがすぐヒートアップするのは、相手への反論をキチンと書こうと思えば思うほど、揚げ足をとられまいとすればするほど、敵の発言を何度も繰り返し読まないといけないもんだから、そこで自分の中でそいつへの憎悪がフィードバックかかってぐるんぐるん回っていっちゃうからであって、 『発言をよく読め!』 みたいなのは、全然燃料になってるというねー。 ■しかもこの繰り返しの魔力〜ってのは、実はこうした悪意限定じゃなくて、好意(?)の側でも同じような”効き目”があって、それこそメールなんかで、その日仕事であった女のコからの 『今日は本当にお世話になりました。』 〜ぐらいの、社交辞令レベルの挨拶でも、繰り返し繰り返し30回くらい(笑)呼び出しては読んでると 『さては、こいつ、オレに気がありやがるな……』 くらいにはなっちゃう(笑&含む:オレ!)心は煮詰まっちゃう〜と。書くほうは1回しか見てない(下手するとコピペで内容すら見てない……)んだけどねー。 ■だからまあ、ネットとかに代表される無限に繰り返しアクセス可能なストック型メディア&コミュニケーション (対応するフロー型〜ってのは基本的にその場限りで流れていっちゃうタイプの、たとえば対面での会話とか?) には、こういう『繰り返しの悪魔』という、心に負荷をかける罠があるから、そこは自覚しといて損はないというか、それを前提にメディアリテラシーを鍛える(&教える)くらいはしてもいいと思うんですが……(含む:ネット暦の長い大人の側(含む:オレ!!)もねー) |
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