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A4一枚堂/ file:0060 -『How to build ルーズソックス』-
■えー、以前index日記のほーで書いた、専門学校のガレージキット講座でアツいノートをとってた(笑)方からこんなメールが届きましたー。



お久しぶりです、例のGKの専門学校の修了生のヒロです。

(中略)今日メールしましたのは、今作っているWF初参加用の原型についてです。

とりあえず原八さんのおっしゃっていたようにガチャポンサイズから始めるつもりでいるんですが、まだ時間もありますし、実験台に1体ほどこの週末に作ってみました。オリジナルキャラクターの美少女フィギュアです。はじめて顔も含めて形に出来ました。まだ、水着なのでここからブレストアーマーとスカートを履かせて完成なんですがここまででも、涙が出そうなほど感激しました。

質問は、ここからなのですが、このキャラクターはルーズソックスを履かせているんですがどうしても上手く作れません。どうやったら良いでしょうか?
一応エポパテ(木工用)で製作してみました。お暇な時で構いませんので、お答え頂けるとうれしいです。

それと、追加のお願いなんですがガチャポンサイズのもので製作上参考になりそうなアイテムとか傑作作品とかあったらお教え下さいジャンルはまだ決まってませんので「ロボ系」「美少女系」なんでも構いません。

それでは失礼します。



■やー、相変わらずアツいっすねえ(笑)。でもちょっとわかりますな、いっこ目が出来た(とゆーかカタチになった)ときの感動ってのはねー。でも、ちょっとテレくさいからあんまり人前では言わないんですけど(笑)。

■で、質問なんですが以前やっぱし『スジボリについて〜』てな感じでQ&Aなコトを書いたのがそこそこ好評だったってのと、絵とかがあったほーがわかりやすいのと、あと何よりも、せっかくだから(笑)メールよりはオープンなネタにさせてください〜と御本人の了解をいただきまして、以下に回答〜。



■まず手順というか段取り的には今やられてるようにくつ下無しの素足(もしくは生脚)を仕上げて、そこにパテなり何なりを盛り足してつくっていく〜ってので、合ってると思います。

■で、それがピッチリしたソックスなら、上端部分に1層、ソックスの厚み分を盛って、なめらかに整形すれば(そのスケールなら充分に)簡単にそれらしくなるんですが、ルーズとなると、たしかにつまずくトコロかもしんないですねえ。




■ルーズソックスをそれっぽく見せるコツとゆーかポイントはその”たるみ””しわ”だと思うので、そこをいかにそれっぽく、表現するか?なんですが、こーゆーモノを作るときのひとつの技法(?)として、『無理矢理作る』というのがありまして……。

■えー、たとえばガンプラのアンテナの先を尖らせるといった、作業そのものの道筋もその効果も明確に見えている、段取りがイメージできる工程とは逆に、どこをどうするのかまだわからない、極論上手くいくかどうかもわからない〜なりに、でまかせ半分で、トライ&エラーを前提にまずやってみる(笑)という工作方法を、個人的には『無理矢理作る方式』(もしくは『無理矢理作る攻撃』!←伝統……)とか呼んでます。

■それこそ設定画からでは微妙に読めない形状とかをまずはポリパテを盛ってみて、『こーゆーコトか?いやこんな解釈かも?』と削り倒してみたり、立体として成立しない髪型をとりあえずファンド盛りつけてグイグイ〜っと……とか。

■まあ、そのルーズソックスくらいなら、実は慣れれば、その無理矢理でもなくて、わりと理屈で作れてしまうのも事実なんですが、ここではまず、無理矢理作ってみることをオススメします。

■具体的には、木工用エポキシパテの場合だと、とりあえず足に多めに盛ってみて、上端はややタイトに足のラインにフィットするので、まずそこをスパチュラや金属棒の腹を使ってグリグリ押しつけつつ、余ったパテを下のほーへ。





■で、下のほーでは、まずデタラメでもOKなのでザックリとしわを押しつけて、たるみを表現、その中で見映えの良いしわを上手くいかして、しわをつなげたり、つけ足したりしてしわを整理統合していく感じですかねえ?

■このときのコツとして、まず大きめのしわをザックリつけて、それを殺さないように中くらいのしわ→ちいさめのしわの順で刻んでく感じですかねえ?とゆーか、実はしわに限らず、なんでもそうなんですが(それこそ古くはシェパード・ペインの『How to build dioramas』の小石の撒き方(←わからんよ……)あたりでも語られてるんですが)あんまり規則正しくなく”さもランダムになっている”っぽく演出するのが難しくもあり極意でもあるんですが。

■あとこれまたルーズソックスに限らず一般論なんですが、『迷ったら現物を見てしまう』のも手ですね。普段は気にもとめてないモノでも自分の中で上手く作れなかったりして問題意識がそこにあると『あ!こーなってたんだ!!』と発見があるというか、見えないモノが見えてきたりもしますし。

■ただただ、ルーズソックスに限っていえば、今のマジ・スーパールーズ120cmモデル(?)とかはルーズっぷりが暴走してて(笑)生地も極厚で、しわというよりはもこもこすぎてチャウチャウみたいになってて、逆にあんまし可愛くないというか、ボクらの意識の中にあるアイデアルなルーズソックスとはもはや別物なので注意が必要です(笑)。




追加分

■えー、まずこれはどっちかと言うとここを見ていただいている方への補足説明になるんですが
『まずはガチャガチャサイズで作ってみる』ことをおすすめしたのは、型取りと、その先のイベント等で(しかもオリジナルモノを)売ってみることを考えた場合のひとつの方法論としてでして……。

■とゆーのも、なんだかんだ言っても現状では一番高価なシリコーンゴムが少しで済む→失敗したときのリスクが小さい→販売価格もとりあえず安くおさまる〜ってのがあります。

■逆に原型を作る段階ではさすがに小さくて不都合なコトもあって必ずしもお勧めスケールではありません。とゆーか、ハッキリ言って、作る人の芸風やスキル、向き不向きによって全員一番イイ大きさは違くない?

■しかもその『自分に一番向いているスケール』ってのも実際に作ってみるまでわかんなかったりしますし(笑)。だからまあはじめのうちは大小いろいろ作ってみるのもいいんじゃないかと。

■で、オススメガチャなんですが、ロボ系ではかなり前のになっちゃうんですがバンダイのバルキリーが原型の出来もそうですが分割とかがトリッキーで面白いです。でもレジンキットだとあーゆー凝った分割は逆に上手くいかない(ゴム型のゆがみで変形しちゃうのでピッタリ会わなくなる)ので分割はあんまり参考にはならないかも(笑)?

■ギャル系は実はガチャ全体のクオリティは色のバランスやら目の塗り、成型技術に、何より元キャラの魅力に依存する部分が大きいので原型の出来の占める割合は相対的にちいさいんですが……

■とりあえず最近の製品だと、これは塗装もいいんですがユージンのナムコギャルズコレクションのワルキューレとソフィーティアはいいですねえ。あと海洋堂のハイジとかももちろんすごくいいんですけど、自分のモノにするのは難しいテイストではあります(笑)。

■あとはあのー、そのー、まあ、手前みそですが\500ガチャ(D.G.P./デジタル・ギャルズ・パラダイス)で私が担当させてもらった『Re-Leaf/レリーフ』『ADAM/アダム』あと『夜勤病棟』あたりなんかも、造型だけでも、参考にしてもらえると……(←長々と書いておいてオチがパブリシティ……)



タイトル 作成日 分類 キーワード 評価
How to build
ルーズソックス
2001.07.05 How to 無理矢理作る攻撃
ランダムが難しい
ずいぶん遅くなってすまんです……

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